水素ガス吸入療法-厚生労働省が先進医療Bに認定

12月9日(金)に、厚生労働省の第3項先進医療【先進医療B】に、水素ガス吸入療法が新しく認定されました。
先進医療Bに認められたということは、水素ガス吸入療法の臨床研究を国が認めた形になります。

今回は、水素の第一人者である太田成男教授がわかりやすく解説しておりましたので、共有させていただきます。

 

まずは、水素吸入療法・先進医療についても、簡単に解説させていただきます。

【先進医療とは】
平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)、行政改革担当、構造改革特区・地域再生担当との基本的合意に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたもの。

【水素吸入療法とは】
心肺停止後の蘇生後に患者に水素ガスを吸入させ、生命を護り、さらに脳機能を護ることで、社会復帰をめざす治療法。

【適応症】
適応症は、心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)

【技術の概要】
成人院外心停止後患者のうち、自己心拍再開後も昏睡が持続する患者を対象として、集中治療室で18時間2%水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入する。
この間、ガイドラインに準拠した集中治療を行う。主要評価項目は90日後神経転帰良好の割合とし、副次的評価項目は90日生存率、生存期間、modlified Rankin Scale(mRS)、GCS、およびMini-MentalState Exam(MMSE)とする。

出典:厚生労働省ホームページ

【太田成男教授のブログより】

水素吸入治療法が厚生労働省の先進医療Bとして、2016年11月30日に承認されました。心肺停止後の蘇生後に患者に水素ガスを吸入させ、生命を護り、さらに脳機能を護ることで、社会復帰をめざす革新的な治療法です。

先進医療とは、先進医療技術審査部会によって、有効性・安全性・必要性などが厳しく審査され承認されるものです。特に、先進医療Bは、先進医療Aよりも厳しく審査され、「医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」です。 先進医療は、将来的に健康保険適用の医薬品として承認されることを前提として開発段階の治療が行われるもので、水素が医薬品として認可され、実際の医療に使われる道が大きく広げられました。また、先進医療の段階でも、水素吸入以外は健康保険を使う事が可能になります。

水素ガス濃度は、安全な2%を使用し、20医療施設、360人の患者を対象とする予定で、本格的な医療研究となります。

出典:太田成男のちょっと一言