【先進医療】水素で心停止後の脳機能改善

水素水がブームになっている昨今、水素サプリや水素吸入、水素風呂など、水素関連商品が、どんな疾患に効果があるのか注目されております。そんな中、水素ガス吸入療法が心停止後の先進医療として認められました。これを受けて2月より、慶応大学病院を中心に世界初の大規模な臨床試験が始まります。

厚生労働省によると、病院以外で、急に倒れ心停止する患者さんは、なんと国内に年間10万人以上いらっしゃるそうです。
心停止とは、死亡はしていないが、心臓が血液を送り出せず、脈がない状態のことをいいます。蘇生措置を行うことで心拍が再開しても、生存率は1~2割と低く、脳に後遺症が残る場合が多いそうです。

佐野元昭・慶応大医学部准教授(循環器内科)らは、心停止したラットに水素ガスを吸入させる実験で、従来の低体温療法と同程度に脳の機能を改善させることを突き止めました。これを受け、2年前、肺炎や心筋梗塞などで心停止した患者5人(47~80歳)を対象に人工呼吸器を使って水素ガスを吸ってもらい、集中治療の現場で安全に投与できることを確認しました。

厚労省は下記のように判断した結果、昨年11月、先進医療の1つに認定しました。
「水素ガスの吸入療法は高額な費用がかからず、広く提供可能な画期的な治療となる可能性が高い。心停止後の生存率や脳の機能の改善も期待できる。」

毎日新聞2017年1月24日 東京朝刊より