水素水の効能 – 論文に裏付けられた科学的根拠③

細胞実験によって得られるデータは、水素のメカニズム(水素が細胞に取り込まれることで起こる細胞内の変化)を分子生物学的に解明する上で重要です。

ここで得られたデータは、将来、作用機序を説明する際に活用され、水素水を普及させる上で欠かせない情報となります。

酸化ストレスについて

活性酸素により細胞が障害されることを酸化ストレスと言います。

正常の細胞では、酵素(抗酸化酵素)の働きにより活性酸素は無毒化されますが、活性酸素量が増えすぎて細胞内の自浄作用で対処しきれなくなると、活性酸素が細胞を内部から破壊し始めます。

水素が豊富に含まれる培養液の中で細胞を培養すると、細胞内の酸化ストレスレベルを低下させ、また抗酸化酵素の量を増加させることがわかっています。

これが「水素が活性酸素を中和する」と言われる科学的根拠とその代表的な作用機序の一部となっています。

紫外線について

紫外線にさらされると、細胞内の活性酸素量が増加し、細胞死やDNAの損傷を促します。

水素溶存下で培養した肌細胞に紫外線を照射すると、通常条件下で培養したものと比べ、細胞死の割合やDNA損傷が軽減しました。

 細胞内シグナル伝達について

細胞は、内部で様々なシグナルを伝達しその機能を調節しています。

水素が細胞に取り込まれると、細胞膜に蓄積します。水素が蓄積した細胞膜が活性酸素により酸化すると、脂質メディエーターが正常時と異なるシグナルを伝達し、それが遺伝子に伝わります。すると遺伝子は抗酸化酵素を含む様々な抗酸化系たんぱく質の発現を促すことがわかっています。

従来、体内に取り込まれていた水素は、活性酸素と直接結びつき水になると考えられていました。しかしこの説には、「体内に取り込まれる水素量は微量であり、そうした化学反応が体内で起こるとは考えにくい」という理論上の欠点がありました。

ですが、細胞内シグナル伝達変化に起因する遺伝子発現調節であれば、体に取り込まれる微量な水素でも、細胞の抗酸化力を遺伝子レベルで高め活性酸素を無毒化できることから、水素の抗酸化の機序を説明する有力な仮説として考えられています。

細胞実験結果の捉え方

上記の細胞実験結果は、これまで発表されてきたデータのほんの一部です。当然これらのデータを、人間への効能としてそのまま当てはめることはできません。

しかし、細胞実験では人間やラット・マウスを用いた実験は異なり、細胞内の細かな変化を詳細に分析することができ、そこで得られた情報は、作用機序の解明に大きく寄与します。すでに臨床試験や動物実験で確認された事象が、どのような機序(メカニズム)で起こっているのか。それを明らかにするための情報として捉えると、より理解が深まるかと思います。

詳細はこちら